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海士町視察行ってきました!報告会②高校の先生が見た海士町
②視察報告「高校の先生が見た海士町」
プレゼンター:白幡充先生(気仙沼高校)
今回私たちが視察に参加したのは、NHKさんにお声がけいただいたこと、「気仙沼の高校生マイプロジェクトアワード」に本校の生徒が参加していること、そして隠岐島前高校が本校より1年先にSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定されており、その取り組みに興味があった、ということが理由でした。私からは主に隠岐島前高校の取り組みについて報告します。
隠岐島前高校は教育目標が校訓としっかりリンクしていて、とても分かりやすいです。(これはなかなか珍しいです。)
さらに「SINKA」や「アイ」などには様々な意味を持たせており、海士町自体のキャッチコピー「ないものはない」などを見ても「言葉を上手く使う地域」だなぁと感じます。
ご存知の方も多いと思いますが、海士町の魅力化の取り組みは「まちから高校が無くなる」という危機感からはじまったものです。結果、生徒数がV字回復し、学級が2クラスに戻るまでに至るのですが、特徴的だったのは島前高校が島外生、県外生を受け入れたということです。
これがその取り組み「島留学」のポスターです。
SGHの構想書です。
隠岐島前高校の特徴を3つにまとめてみました。
まず、学校の教育課程の中で、しっかり探究活動の時間をとっていること。(SGHは「課題研究」が必須。)
また、学校の教育活動以外でも学習センター(公営塾)で夢ゼミを行っていますので、普通の高校より生徒たちの探究活動に触れる時間が非常に長いと感じました。
(夢探究「問いの立て方」、夢ゼミ「五感開放ゼミ」の様子の詳細は割愛。動画でどうぞ)
生徒たちにはその取り組みを発表する場があり、評価を受けています。それは生徒たちの自信につながっています。
特徴の2つ目です。海士町では幼稚園から高校まで一連の流れとしてビジョンが共有されています。
3つ目はスタッフ体制です。「加配」で教員数が倍になっていることはとても珍しく、魅力化スタッフも含め、かなり「人を・人に投資している」と感じます。
これは本校のSGHの構想図です。海士町のような探究活動は、本校では「地域社会研究」「課題研究Ⅰ・Ⅱ」と称して市やNPO、民間企業の協力をいただきながら取り組んでいます。
視察の感想です。まず、学校内に入っているコーディネーターの負担が大きいなぁと感じました。これはボランティアでは不可能だな、と。他に本職があって片手間でやれるものではないです。導入するとしたらバックアップをどうするかが課題になるでしょう。
次に、学習センターなる場所が欲しいなぁと思いました。学校内のパソコン使用時間や先生方の対応にも限界があります。学習センターのようなものが地域にあれば、学校としても生徒の活動に対して「地域(ソト)に行ってこい」と力強く言えるな、と。
最後に一番感じたことが、海士町では「地域全体が学校になる」イコール「教員だけが先生じゃない」ということです。何ができることが「学校の先生」なんでしょう。学校の先生つまり教員として、変えちゃいけないこと、変わらなきゃいけないことは何なのか?それを視察以降、心の中で、2日にいっぺんくらい、ずっと自問しています。
これからも気仙沼高校をよろしくお願いいたします。
(まとめ文・加藤拓馬)
プレゼンテーションの動画②
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