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海士町視察行ってきました!報告会⑤NPOが見た海士町

⑤視察報告「NPOが見た海士町」
プレゼンター:加藤拓馬(一般社団法人まるオフィス)


 

つづいて、NPO/民間から見た海士町を発表します。
主に「学習センター」の役割について紹介します。
一般社団法人まるオフィスの加藤拓馬です。
 
 



一刻も早く気仙沼の地域教育の魅力化を進めたいと焦っていた私は、組織化や資金調達の「ノウハウ」を海士町から学びたいと思って行きました。しかし、視察の冒頭でこのように言われ出鼻をくじかれます。
海士町が「何をやっているのか」(やり方=Do)ではなく、「どうあるのか」(あり方=Be)が大事だと言うのです。
 
 



これが、隠岐國学習センターの外観です。
 
 



場所は、丘の上に建つ高校のすぐふもと、フェリー乗り場のすぐそばにあります。高校生が必ず通る場所にあるわけです。
 
 



センターの内観です。
 
 



センターの概要です。「教科指導」と「夢ゼミ」が行われている町営塾なんですが、島前高校と連携し、実に75%の生徒がセンターにも通います。
 
 



この「夢ゼミ」についてもう少し詳しく紹介します。
 
 



高1から高3までテーマが段階的に設計されています。先ほど登場した高校のキャリア教育「夢探究」の授業とも連動しています。
 
  



高校で学ぶのが「型」だとすると、センターで得るものは「深み」であり「広がり」だ、とセンターのスタッフは言います。
スタッフの高校生に対する接し方からも学ぶことが多かったです。
 
 



肝心の高校生はというと。
夢ゼミのグループワーク中に、ふと「どんなこと企画してるの?」と声がけをした私たちに対して、緊張した様子もおっくうがる様子もなく彼女たちはさらさらっと企画内容を教えてくれます。
「なるほど、おもしろいね。ジャマしてごめんね。がんばってね!」と最後に返すと、「いえいえ、むしろお話聞いてくれてありがとうございました!」と言われたのです。驚きました。私たちのような「ソトモノ」に対してとても慣れているなと感じました。
 
 



具体的にどのような学びがあるのでしょうか。そのヒントはこの卒業生たちのコメントの中にあったように思います。
この二人の卒業生が共通して放った言葉があります。岩本悠さんからの「島前高校で何を学んだか」という問いに対して「考えるクセがついた」と2人ともポロっと言ったのです。地域内外のいろんな大人に囲まれて、自分で考える機会が豊富にあった…。
学校とセンターが連携し合って、「主体性」「多様性」「協働性」を深める土壌がこのまちにはあるように思えました。
 
 



 

まとめです。とにかく、海士町にはマイプロ(プロジェクト学習)に取り組む機会が高校内外にたくさんある、ということ。そして、大人たちスタッフの高校生への接し方が一貫している、ということ。なんなら、吉元副町長まで同じようなことを言うわけです。これは偶然でしょうか?
 
 



ここから、海士町のスタンス(姿勢)なるものが見えてきます。それは「島がなくなるかもしれない」という危機感から生まれた「オープンにして対話する」というスタンスです。心をオープンにして、もしくはプロジェクトをオープンにして、多様なセクターの資源を活用するという術は、高校生の女の子から町長まで一貫していたのです。
 
 



 
 



これはもはや「教育」という1セクターの話ではありません。気仙沼の次の世代の話です。これを機に、いろんな方と対話の場をつくっていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

(まとめ文・加藤拓馬)

プレゼンテーションの動画⑤-1

プレゼンテーションの動画⑤-2

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