まるゼミとは

about

地元のくらしがい、はたらきがいを、いきぬく力に。

体験型地域塾「じもとまるまるゼミ」(通称まるゼミ)は、気仙沼の地元漁師はじめいろんな大人が先生になって、地元の中高生が地元のくらしや仕事を半日間体験できる地域塾です。
さらに、体験プログラムの提供だけではなく、地域が次の世代と協力して育ち合う=協育の仕組み(エコシステム)づくりをしていきます。

もくじ

 

まるゼミの背景

子どもたちにとって
先行き不透明な時代

人工知能(AI)革命により半数の職は失われ、超高齢社会により国家の財政は破綻し、主要都市が巨大災害により壊滅的な被害を受け、東アジアの安全保障も不安定化が進み…。

今から数十年かけて大人たちも全く先の読めない時代に突入します。そして、その先行き不透明な時代を今の中高生の世代と担っていくことになります。

それなのに一方で、日本は先進諸国の中でも中高生の「自己有用感」「自己肯定感」が低いと危惧されています。これからの時代を生き抜いていく人材を育てる教育が必要です。

学校教育現場も急変しつつあります。アクティブ・ラーニングや課題解決型学習の重要性が高まり、例えば渋谷区ではタブレットと学習アプリを学校現場に導入する(参照ニュース)など教師に求められる役割も変化しはじめています。

この変革期において、教育機能を学校だけに任せるのではなく、学校を含む地域全体の「協育」力が問われています。

地方にとって
地域消滅危機の時代

「30年後、このまちで魚獲るヤツはいねくなるぞ」それは唐桑半島の地元漁師との会話から出たふとした一言でした。

一体いま気仙沼で、地方で、何が起きているのでしょうか。

1960年代、高度経済成長やエネルギー革命(石油の時代の到来による閉山)は地方から都市部への集団就職など若者の流出を本格化させました。

それから半世紀、若者の流出→少子化のスパイラルはいよいよ「消滅」の事実を地域々々に突き付けています。

昭和後期より縮小していった漁業のまち気仙沼も例外ではありません。漁師はじめ地域ならではの仕事やくらしの担い手が全くいないと言っても過言じゃない状況です。
 

1.少子化スパイラル
① 激化する少子化

少子化という言葉はすでに「耳にタコ」でしょうが、これから10年かけて地方で激化する現象です。

例えば6,500人の唐桑地域(旧唐桑町)では、小学3年生が3校併せても16名しかいません(17年現在)。若年層の人口がこれから「直下」するという危機がいよいよ気仙沼に迫って来ました。

② 地域教育の機会喪失/大人の否定的刷込み

少子化が進むと、地域内の子ども対象の行事/事業も減少していきます。
地区のおじいちゃんが企画していたキッズクラブも閉鎖、地区のこども会も統廃合が進んでいます。東日本大震災以降、浜という貴重な遊び場も奪われました(護岸工事は今も続いています)。
学校以外で地元に触れる機会が減ってきています。

それと相まってか、子どもたちが「ここにはなんにもない」と感じているのは親をはじめ大人たち自身による否定的刷込み(ネガティブ・キャンペーン)に起因することが多いようです。

我が子ゆえに「将来は都会で安定した仕事に就きなさい」と言う親心も分かりますが、もはや都会でも安定の保証がない現代、無意識のうちにただ地元に対しても社会に対してもネガティブな人材を育てているという状況に陥ってないでしょうか。

③ 低迷するUターン率

気仙沼の高校生は卒業後に進学、就職のため90%が市外に出ます。

出ること自体に問題はないのですが、その子にとって地元での原体験や原風景が育つことなく、ネガティブな「おらこんなムラいやだ」状態で一度東京や仙台に出てしまうと、Uターン率は上がりません。

「帰ってもなんにもないから」「都落ちはイヤだ」とある種の思い込みも含みながら、“いなか”での生活を固辞します。
それがさらなる人口減少の悪循環を生みます。

2.コミュニティ=夢を諦めさせる装置

“いなか”の集落コミュニティは都会に比べるととてもあたたかくて、豊かなものだとベタ褒めしがちですが、ちょっと別の観点から見てみましょう。

「集落コミュニティは本来夢は諦めさせる装置だ」という言葉を知りました。

米屋の息子は米屋を、豆腐屋の息子は豆腐屋を継いでもらわないと集落は維持できないのです。東京に出てアーティストを目指したい!IT企業に勤めない!なんて言われも諦めてもらうしかない、それが20世紀までのコミュニティ維持の秘訣でもありました。

集落の持続性と個の可能性が矛盾しているわけですから、限界が来るのも当然なのかもしれません。

私たちが目指すことは、子どもたちの選択肢の豊かさと集落の持続性が両方担保されている、そんな21世紀ならではの集落コミュニティのあり方です。あとで詳しく述べます。

 

まるゼミメソッド

まるゼミの出発点
「地元のくらしがい・はたらきがい」

上で述べた次世代への課題を実感し、私たちが考えたことは「とにかく気仙沼のかっこいい大人の背中を見せるっきゃない!」ということでした。

そこで2017年春、前身企画である中高生向け漁師体験「すなどり先生*」をバージョンアップして「じもとまるまるゼミ」をはじめました。*すなどり=「漁師」を指す言葉

まるゼミの学びのテーマは「地元のくらしがい・はたらきがい」です。
五感を使った体験型プログラムを通じて、地域の大人たち(○○先生)が秘める「地元でくらすとは?誰のためにはたらくのか?」という想いを暴いて、中高生に伝えていきます。

海への恋心を語るベテラン漁師、定年知らずの夢を持つベテラン農家、地元の「声」になりたいと願う若手デザイナー。
彼らとともにカッパをはいて浜におりていく、畳の上でお茶っこしながら漬け物をかじる。

子どもでも大人でもないティーンエイジャーの中高生にとって、こうした地元の再発見はちょっとした感動を生み、原体験になり得ます。多くが地元を離れる直前6年間にあたる中高生にこそ、知ってもらいたい地元があります。

まるゼミのねらい
「いきぬく力」

まるゼミのねらいは中高生に「いきぬく力」を育んでもらうこと、同時に地域に「協育」の仕組み(エコシステム)が根付くことです。

「いきぬく力」とは、「生き抜く力」つまり粘り強く逆境を突破する力と、「息を抜く力」つまりしなやかに回復する力の両方を指します。ともに「くらす」と「はたらく」がとても近い“いなか”ならではの力です。

そんないきぬく力をもった人は、人生の選択肢がたくさんある人です。どういう状況に置かれようと、好きな仕事に就いて、もしくは興して、のびのびと生きていける人です。

そのためには「私がやりたいんです!」と言える「主体性」と「独りじゃムリだから助けて!」と言える「協働性」が欠かせません。

さらに言えば「私がやりたい」と思えるためには「自分には何かしらの役割がある」「自分は誰かの役に立てる」とそもそも普段から思えているかどうかが大事な最初の分岐点です。

これが「自己有用感」です。
しかし日本の中高生の自己有用感は低いという課題は前述のとおりです。

じゃあ、どうやって自己有用感や主体性は生まれるのでしょう?

2つの志向

まるゼミが目をつけたのは「地元志向」と「未来志向」という2つの志向、つまりスタンスや姿勢です。

  • 地元志向
  • 地元志向をもつ中高生とは、例えば地元に愛着と課題意識をもっている、例えば地元内で多世代交流がある子です。地元への帰属意識はアイデンティティを支え、多様な大人との交流が視野を広げます。

  • 未来志向
  • 未来志向をもつ中高生とは、例えば絶対解のない未来や事象に対してわくわくを感じる子です。自身の将来に対してもポジティブになれますし、多角的な未来予想に興味をもつことでやはり視野を広げることにつながります。

この2つの志向が思春期の自己有用感と主体性を育むというのが「まるゼミメソッド」の根幹です。

企画力/実行力

さらに、主体性をどう協働性やいきぬく力につなげていくか考えたときに「企画力/実行力」が欠かせないことに気づきます。いくら高邁な志向をもっていても、それに裏打ちされたスキルが必要です。

いつ、どこで、だれと、なにを、どうやって動かすのか企画し、仲間と実行する経験が中高生のうちからとても大事になってきます。

地域も育つ

準備中です。準備中です。準備中です。準備中です。

 

まるゼミのメニュー

ベーシック・プログラム

地元志向を育むプログラムで、まるゼミの原点である漁師体験や農家体験を主に地区ごとの中学生を対象に実施しています。(現状:唐桑地域のみ)
高校生以上はスタッフとして参加できます。多地域展開を目指していますので、ウチの地区でもやりたい!という声をお待ちしております。
後援:気仙沼市教育委員会(2017年度〜)

唐桑地域

起点となった唐桑地域=唐桑・中井・小原木3地区でのプログラムです。2018年度より企画名「からくわのまるまるゼミ」として、まちづくり協議会、公民館と協力しながら実施しています。
共催:唐桑町まちづくり協議会(2018年度〜)
プログラム例/レポートはこちら→#唐桑

まるまる先生_マップ

まるゼミを彩る学科たち

 
 

アドバンス・プログラム

気仙沼全市の高校生を対象にしたプログラムや、ベーシック・プログラムからの発展プログラムです。

けせんぬま未来ゼミ

未来志向を育むプログラムで、対象は主に高校生です。「未来にわくわくしてる?」を標語に、未来をテーマにしたツールやサービス、作品、メディアに触れる機会をつくります。高校生の「未来リテラシー」(読解/活用能力)を上げることがねらいです。詳細はこちら→コラム「けせんぬま未来ゼミはじまる」

こんな未来ツールを提供できるよ!というアイディアをお待ちしております。
共催:認定NPO法人底上げ
プログラム例/レポートはこちら→#未来ゼミ

まるゼミしごとメーカーズ

企画力/実行力を育むプログラムで、対象は主に高校生です。地元企業とコラボして、企業から出してもらうミッション(指令)に挑戦する実践型のゼミです。高校生は地元の経営者はじめ多様な大人と協働しながら課題解決力を身につけることができます。

自社サービスとコラボしてみたい!という企業様のアイディアをお待ちしております。
プログラム例/レポートはこちら→#しごとメーカーズ

 

学校との協働プログラム

唐桑中学校まちづくり学習会

中学生が地元志向を育む取組みとして、唐桑中学校の「総合的な学習の時間」のコーディネートを行なっています。学校と地元のキーマンもしくは外部の専門家をつないでいくことが私たちの役割です。
1学年:防災のまち 唐桑
2学年:福祉のまち 唐桑
3学年:海のまち 唐桑(海洋教育の一環)
2018年度より唐桑地域3公民館の「地域学校協働活動推進事業」を活用して、推進員として委託を受けて活動を再スタートしました。
プログラム例はこちら→#唐桑中学校

気仙沼高校フィールドワーク・アドバイザー

2017年度より気仙沼高校のフィールドワーク・アドバイザーとして、1学年の地域社会研究や2学年の課題研究のサポートを行っています。月1回、放課後の相談室を校内で実施中。

 

地域のプレーヤーとの協働プログラム

まちづくり協議会との協働

唐桑町まちづくり協議会が運営する地域協育プログラムに対して、普段はいちプレーヤーとして、ときに企画アドバイザーとして参画しています。そこから生まれた高校生のまちづくりチームの伴走サポートも行っています。

気仙沼の高校生マイプロジェクトアワード実行委員会

気仙沼でやってみたい!という想いのもと高校生が自分に出来るプロジェクト(マイプロジェクト)を半年間かけて磨いていくプログラムです。その実行委員会の一員としてプログラムの運営、高校生の伴走者を担っています。
プログラム例はこちら→#高校生マイプロ

YEG×地域協育(仮)

気仙沼商工会議所青年部(YEG)の取組みで、地元の中学校の「職場見学 事前学習」(仮)のコーディネートを行なっています。地元企業の経営者とともに学校を訪れ、中学生に各社の仕事の魅力を直接伝えるピッチ&グループワークを実施します。
プログラム例はこちら→#YEG

じもとのボード

当サイトでは以上の「地域のプレーヤーとの協働」を進めるために、まるゼミの取組み以外にも、気仙沼の地域協育の取組み事例を広く「じもとのボード」というコーナーにて紹介していきます(ボード=掲示板)。地域協育のポータルサイトを目指します。

 

まるゼミの前身企画「すなどり先生」

漁師のくらしや仕事の価値を再発見して、広く知ってもらって、持続可能なものにしたい!という想いから、唐桑半島で観光客向け漁師体験プログラムをはじめたのがコトの発端でした。
1〜2年挑戦してみて「漁師のくらしや仕事の価値を一番知ってもらいたい人って誰だっけ?」「まずは地元の次世代じゃないか」という答えに至り、2016年春、対象を観光客から中高生に変更します。観光コンテンツが教育コンテンツに変わった瞬間でした。企画名は「すなどり先生」。「すなどり」とは「漁師」を指す言葉です。

漁師さんを呼んで、上はシャツとネクタイ、下はカッパを着てもらいます。「こんな格好はじめてするや」とみんな口にします。「今日からこのクラスを担任します、漁師です。」というチラシが完成しました。

その1年後、漁業以外の業種にも展開させ「じもとまるまるゼミ」として再スタートさせることになります。(そのスタート前後の物語はこちら→コラム「まるゼミ誕生まで」
レポートはこちら→#すなどり先生

 

まるゼミ1分MOVIE

主催

一般社団法人まるオフィス
(担当:加藤拓馬)
maru-office.com

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