ちょこっと記事
まるゼミ誕生まで①~おカネくださいは悪ちゃうで~
じもとまるまるゼミのリリース前後1年分くらいを
加藤拓馬が一気に振り返るコラム・シリーズ「まるゼミ誕生まで」
ここまでのあらすじ
東日本大震災を機に気仙沼にやってきた加藤拓馬。まるオフィスを設立して1年が経った2016年度は、経営未来塾などを通して事業とそして自分自身と向き合う1年となった。結果「志」をシャープにして、気仙沼で「じもとまるまるゼミ」を始めることを宣言したはいいものの、サービスの核となる価値や資金調達方法はあやふやのまま卒塾。ずるずると年の瀬が過ぎていった。
志だけじゃお腹はいっぱいにならない!とようやく気づかされた27歳。しかしどうしていいか分からない。果たしてこの男が稼げる日はやってくるのか…!
まずはプロローグ。2016年末、気仙沼のとあるお店から話は始まります。
「おカネください!って言うことと、これやりたいんです!って言うことは全然違うから。
両者の間には大ぉきな川が流れてるから」
はぁ。いつまで経ってもその川を渡れずにおります。
「おカネくださいって言うことは思ってるより悪ちゃうで」
はぁ。悪までとは、ねぇ。思ってないっすよぉ。自信ないんすよ、結局。
2016年12月6日。
花形さんと森さんに囲まれ「福よし」でビール片手にうな垂れる。
今のオレってどんな感じっすかねぇ。
「踊り場に来てる感じやわ。ちょっと前より今の方が好きやけどな」
踊り場かー。長い踊り場やわぁ。
経営未来塾を意気揚々と卒塾して1ヶ月半。
明日陽が昇れば革命を起こしてやる!ぐらい意気込みで走り出したものの、あっ…
という間に、日々の仕事に埋もれ掻き分ける生活に戻った。
何も動けていない自分に苛立ちだけが募る毎日だった。
気仙沼ESD円卓会議では、来年はまるゼミの事例ひっさげてあそこに登壇したいなぁと指をくわえて見ているだけ。
唐桑町まちづくり協議会もついに設立、あれこれ考えることがまた増えた。
「ま、ひとりになって考え込んじゃダメ。毎日『たのもぉぉ』の精神よ。私も未だにそうよ~」
大企業の偉い方々なのになんて気さくで優しいんだ。
夕方の辛口メンタリングのあとだけに、優しさが染みる。
たまたま隣の席にいらした根口の社長が帰り際に
「まちづくり協議会がんばってんなぁ。なんか力になるから声かけろよ」
と、ぽんっと言ってくれる。それを聞いて、突発的においおい泣いてしまう自分。
あぁ不甲斐ないったらありゃしない。
こんな感じで始まったのが2017年だった。
「じもとまるまるゼミ」リリースの4ヶ月前のこと。
(加藤拓馬ブログ「遠東記」より)