ちょこっと記事

とにかく伴走サポート!探究学習コーディネーターがまわります

6月に就任した気仙沼市探究学習コーディネーターの初動は、前回のコラムで紹介したとおり「探究とは?」というお題で講演してまわるというシンプルなものでした。7月以降、いよいよ生徒や教員の伴走サポートが開始、ここからコロナ休校明けという混乱期の中で苦戦を強いられることになります。学校によっては、ただでさえスケジュールが圧迫されたカリキュラムなので、今年度は総合学習に時間と手間があまり割けない、というところも。そんな中での、探究学習コーディネーターによる7月〜9月の活動の様子を綴りました。

松岩中学校

コロナの悪条件の中、「個人の探究」へ踏み切ったのが松岩中学校3学年です。中学校ではグループ探究が主流ですが、ここでは1人1人がテーマを設定します。しかもテーマはフリー。なんでもOK。60-70人の生徒が様々なテーマで問題提起をしていきます。

そう、カオスです。

「観光を盛り上げたい」「海洋プラスチックごみの回収装置をつくりたい」「外国人の住みやすいまちにするには」「コロナ対策を喚起したい」「手話を中学生に広めたい」「防災無線の聞こえやすい家と聞こえにくい家の違いは」「草の生える校庭と生えない校庭は何が違う」…1人1人まったく違うテーマごとに問いを投げかけていきます。「なんでそのテーマにしようと思った?」「進めるために具体的にどうしぼる?」などなど。

活動の様子は学校のブログで発信していただいております!
8月6日「3年 総合的な学習の時間 探究的な学習の「問い」をつくる」
9月10日「3年 総合的な学習の時間 探究的な学習の「問い」「計画」をつくる」
9月24日「3年 総合的な学習の時間 探究を進めています」

こちらのYouTubeでも取り上げています!あわせてご覧ください。

唐桑中学校

続いて、唐桑中学校3学年です。7月3日、中学校から徒歩圏内の中ノ浜にフィールドワークに行き、問いを探します。「なんで中国語や韓国語のゴミが落ちてるの?」「なんで石ころの浜なの?」…。その問いを起点にグループに分かれ、「海のまち唐桑」というテーマで探究活動スタート!

グループ内対話を深めるためにペーパータワーというゲームをやったことも。

笹浜に行ったり、内湾のクルージング体験などフィールドワークを重ねていきます。

9月24日には地域の方をゲストに呼んで、深めてきた問いをぶつけてみました。ゲストの調整は、唐桑町まちづくり協議会にも協力をお願いしました。(今年度から「地域学校協働活動推進員」はまちづくり協議会にバトンタッチしました。推進員時代の活動は#まちづくり学習会

中井小学校

松岩、唐桑の両中学校区が今年度のモデル校に指定されていますので、学区内の小学校にも先生たちのリクエストに応えて総合学習のお手伝いに入ります。
中井小学校では校長先生がユニークな取り組みを敢行する!というのでそのお手伝いに。7月22日、全学年対象「海と親しむ会」という企画@滝浜です。「コロナでプールも無しになったから、子どもたちに海で遊ばせてやりたい」という校長先生の熱い想いがあり、普段禁止されている「たづぼんこ」や「箱メガネで海中探査」が実現しました。たづぼんこ?これは唐桑半島独特の単語で、岸壁からどぼんっと海に飛び込む遊びのことを言います。昔っからある子どもたちの遊び方ですね。

高学年の有志が勇気を出して飛び込んでいきます。漁師さんはじめ地元の方々のお手伝いや洋上での見守りがあって、実現しました。

岸壁につないだ船から海の中を覗きます。同じく漁協の許可があって実現しました。

低学年は主に浜を探索して遊びます。一日限りですが、海を思い切り体感できた会になりました。私たちは微力でしたが地元の協力者とのつなぎ役や準備のお手伝いなどをしました。
当日の様子:中井小学校ブログ「海に親しむ会」

唐桑小学校

唐桑小学校は4学年を対象に海の授業をサポートしました。漁師さん、漁協スタッフの方を学校にお呼びして地元の海の魅力と課題を語ってもらう、という趣旨だったのですが、ひとりひとり壇上で長々と語ってもらっても4年生となるとなかなか頭に入らない可能性大です。そこで提案したのが「大喜利形式」。パネルディスカッションのように前にずらりと並び、一問一答で紙に答えを書いてもらうのです。コーディネーターの成宮さんが進行役、同じく加藤がいちパネラーとして参戦し、主に漁師さんの発言を噛み砕いて補足して伝える役を担いました。8月27日実施。

地域のゲストを呼べばそれでいい、というわけではありません。ゲストは普段子どもたちに語り慣れていません。特に下の学年になると、余計コミュニケーションの行き違いが起きます。なので今回は4年生の先生たちと一緒に、とにかく生徒に伝わる方法を考えました。「大喜利形式でテーマを紙に可視化、トークを細切れにする」ことで集中力を絶えさせないようにします。特に年配のゲストをお呼びするときは「話を噛み砕いて補足して同じく可視化もしてあげる」ことで理解度を高めます。

授業の中身についてはこちらのブログをご覧ください。
加藤拓馬のブログ 遠東記「唐桑小4年生の授業」

松岩小学校

松岩小学校では4学年が海洋プラスチックごみはじめ環境問題に気仙沼の人たちがどう取り組んでいるのかを学びます。9月14日、私たちは民間の取り組みとして気仙沼商会さん、行政の取り組みとして市生活環境課さんを事前に取材して、動画などにまとめて紹介しました。「ふだんYouTubeやってまーす」と自己紹介すると、授業後何人かの生徒に「サインください」と真剣にお願いされました。ユーチューバーの時代ですね。

気仙沼中学校

モデル校以外の学校にもリクエストがあれば応援に駆けつけます。7月9日、気仙沼中学校で「探究学習とは」というテーマで特別授業を実施。前回のコラムで紹介したプレゼン以外に、スペシャル企画!実際に探究している先輩の姿を見てもらおうと、気仙沼高校の生徒をゲストとしてお呼びしました。しかも初の取り組み、オンラインで登壇!中学校側も密を避けるため、全学年各教室につないで同時中継するというチャレンジングな企画になりました。

こちらが中学生からいただいた感想です。
3年生

3年生

2年生

 

河北新報に【探究学習コーディネーター】掲載 2020年7月14日

三陸新報に【探究学習コーディネーター】掲載 2020年7月14日

朝日新聞に【探究学習コーディネーター】掲載 2020年7月18日

面瀬中学校

面瀬中学校も今年から本格的に総合学習の探究化にチャレンジ。1学年のテーマが「食」で、8月28日地元の水産加工の企業、八葉水産さんからテーマを出してもらいました。コロナ禍の情勢を鑑みて、オンラインで講話してもらいました。

ほかにも成宮さんが新月中学校3学年のコーディネートを行っています。新月中のテーマは「Withコロナ」。コロナ禍の社会をテーマに、探究を進めています!

ICT研修

最後に、総合学習の伴走ではなく、コロナ禍をきっかけに加速している取り組みを紹介します。ICT研修、具体的にはzoomを使ったオンラインミーティングの方法を学ぶ研修の依頼が増えています。7月16日に市内全校の担当教員対象のICT研修の講師を、翌7月17日には面瀬小学校の校内研修会の講師を務めました。私たちはコロナ休校開始からオンラインに切り替えてずっと高校生たちとコミュニケーションを取ってきましたので、そこでの気づきをシェアしていきます。明日、気仙沼でクラスターが発生してまた休校になる可能性は十分にあるのです。再び、学びが止まらないよう、気仙沼の教育現場のICTに関するリテラシーを底上げすることにも貢献していきたいです。

(文・たくま)

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